支援内容

感覚統合療育について

感覚統合とは様々な感覚を整理したり、まとめたりする脳の機能のことで、この機能があるからこそ自分が置かれている状況、環境を把握し、適切な振る舞いや行動ができています。

感覚の統合とは

自覚、意識しやすい感覚の5つ
  • 視覚
  • 聴覚
  • 嗅覚
  • 味覚
  • 触覚
自覚しにくく、無意識的な感覚の2つ
  • 前庭感覚(身体の傾きや動きを感じる)
  • 固有受容覚(筋肉や関節の状態を感じる)

人間の感覚には大きく上の2つがあります。
全7つの感覚が統合されることで、以下の様な基礎的な行動ができるようになります。

  • 自分の身体をイメージ化できて把握できる
  • 道具をうまく使うことができる
  • 物に合わせた動きができる
  • コミュニケーションがとれる

えすく羽島の感覚統合へのアプローチ

えすく羽島では、感覚統合の成り立ちや脳の発達の観点から、以下のポイントを重要視しています。

  1. 楽しい気持ち
  2. やってみたいという興味や主体性
  3. 達成感

えすく 羽島では、さまざまな遊具の設置、教材の準備がされており、程よいチャレンジの中で、
達成感を感じていけるよう設定していきます。

取り組み内容の工夫の1つとして、サーキットの内容は毎回変化させていきます。「どのようにしたら上手くできるかな?どのように身体を使ったらいいかな?」など新しい感覚刺激(身体のボディイメージ全体像と部位の認識、いろいろな部位の協調使用)をうみだせるよう問いかけていきます。

お子様1人1人の感覚の違いのらしさを大切に、土台となるさまざまな感覚の育ちを大切に、多角的にアプローチしていきます。

認知作業(身体面)トレーニングについて

えすく羽島では次の7つのトレーニングモジュールに基づいた活動を行っております。

自分の身体

  1. 身体を知る
    ⑴柔軟運動 ⑵身体への意識づけ ⑶バランス運動
    日常生活で使用することが少ない関節や筋肉を自ら意識的に動かすことで自分の身体に向き合う機会をつくり、
    ボディイメージを高めるとともに身体のバランス感覚も養います。
  2. 力加減を知る
    ⑴押す ⑵引く ⑶力を合わせる ⑷姿勢を保持する
    自分の力の入れ方、相手の力を感じます。そして効果的な筋肉への力の入れ方や相手と力を合わせることを学びます。
  3. 動きを変える
    ⑴聴覚的注意トレーニング ⑵視覚・聴覚的注意トレーニング
    外部刺激による動作の切り替えによって注意力を向上させます。

物と自分の身体

  1. 物をコントロールする
    ⑴棒運動 ⑵キャッチ棒・玉
    棒やボールを使った運動を行うことで瞬発力や協調運動能力を高めます。
  2. 指先を使う
    ⑴ブロック積み ⑵爪楊枝積み ⑶新聞ちぎり ⑷ひも結び ⑸テニスボール積み
    指先の細かい動きをトレーニングするとともに、目標を達成する考え方をトレーニングします。

人の身体と自分の身体

  1. 動きをまねる
    ⑴基礎模倣 ⑵関係模倣 ⑶動作模倣
    相手の姿勢を記憶して模倣することで、静的、動的な動作の記憶方法を学びます。相手を注意して観察することにより、身体を使った作業や仕事を身につけることに役に立ちます。
  2. 動きを言葉で伝える
    ⑴姿位伝言ゲーム
    提示された姿位をパートナーに言語だけで伝えるだけで、身体部位の働きや使い方の言葉による表現力、観察力を養います。また正確に伝えるためのコミュニケーションの練習をします。

認知ソーシャル(社会面)トレーニングについて

お子様の社会面への支援を目的としたトレーニングです。認知ソーシャルトレーニングは臨床経験や研究成果を基に開発されたもので、4つのトレーニングから構成されています。

1.段階式感情トレーニング

感情を効果的にコントロールできるよう、無理なく段階的にトレーニングしていきます。

他者の感情

  1. この人はどんな気持ち? 他者の表情・状況理解(1人)
    ⇒相手の表情に気付く、相手の表情を読める
  2. この人たちはどんな気持ち? 他者の表情・状況理解(複数)
    ⇒相手の感情を状況から察することができる

自分の感情

  1. 感情のペットボトル 感情コントロールの動機づけ
    ⇒自分の感情に注意を向けることができる
  2. 違った考えをしてみよう 自己感情の理解・表現・思考の修正
    ⇒自分の感情が分かる
    ⇒自分の感情を言語化できる
    ⇒自分の感情をコントロールできる

他者の感情

  1. 思いやりトレーニング 他者への共感、自己感情のコントロール法の確認
    ⇒他者に共感できる、相手の背景まで想像することができる
    ⇒他者の悩み相談にのることができる(問題解決も含む)

2.危険予知トレーニング

子どもたち自身が自分の身を自分で守るために、事前にさまざまな危険を予知できるようワークシートを使い、トレーニングしていきます。その状況にどのような危険が隠れているかを想像してみることで、危険な状況を予測する力を鍛えます。また、グループで行うことでお互いの危険認識の差にも気付くことができます。

3.対人マナートレーニング

対人スキル向上のために、その基礎となる対人マナー力(挨拶・お礼・謝罪・頼む・断るなど)の向上を目的としたトレーニングをワークシートを使用し行っていきます。相手の気持ちや状況を想像してみることで、人と接する時に必要となる自分の対人マナーを理解していきます。グループワークでは他の人はどう考えたのかを知ったり、違う考え方もあることに気付いてもらうことも大切にしながら進めていきます。

4.問題解決トレーニング

困ったことに直面した際、自分の力で考えて解決できる問題解決力を養います。うまく解決できた目標(結果)を決めておき、それに至る経過の部分を考えることで適切な問題解決の方法を学んでいきます。

より柔軟な解決策を出せるようになることを目指し、段階的に3つのトレーニングをしていきます。

  1. 何があったか考えよう
  2. やってみたいという興味や主体性
  3. あなたならどうする?

認知機能強化(学習面)トレーニングについて

認知機能とは、注意、記憶、言語理解、知覚、推論、判断といったいくつかの要素が含まれた「知的機能」を指します。
いわば「学習の土台」です。学習につまずきを抱えるお子様は認知機能の働きのどこかに弱さを持っている可能性があります。

プログラム内容と効果の可能性

動から静への切り替え(自制心)

  • 4色塗り絵(運筆力・集中力・注意力・先を見通す力がアップ)
  • なぞり絵(運筆力・集中力)
  • マンダラ(創造力/リラックス効果/色彩感覚を養う/運筆力/集中力)

コグトレ

  • 数える(注意力・集中力・処理速度をアップ)
  • 覚える(視覚・聴覚の短期記憶をトレーニング)
  • 写す(視覚認知の基礎力 “模写・形の把握をアップ”)
  • 見つける(視覚情報を整理する)
  • 想像する(見えないものを想像する力、論理的思考をアップ、関係性理解、時間概念)

視覚情報処理

  • 図、絵、文を見て視写
  • 文字、数字探し
  • ナンバータッチ
  • 違い探しなど

聴覚情報処理

  • きくきくドリル
  • 伝票
  • 言葉、数字、記号の聞き取りなど

読み上げ

  • 音読(読解力・口腔機能向上・語彙力、理解力の向上・自制心・集中力)

短期記憶

  • 物や色を覚える
  • 場所と記号
  • 絵を覚える
  • 数字変換等

キッズヨガについて ※隔週土曜日実施

1.ヨガとは?

身体と心と呼吸をつなげること・・・という意味だったり、
紀元前の時代よりインドで・・・という歴史があったり、
はたまたダイエット目的などで使われたりしていますが・・・
ざっくり言うと、
ポーズなどのツールを使って
自分自身の心を安定させること
ヨガは誰と比べる必要はない、という世界です。

2.ヨガの目的

「今」の自分を感じること(いわゆるマインドフルネス)
講師が大切にされていることは・・・
自分の身体と心とちゃんと「会話」ができるようになること

  • 身体
    今、自分はどの部分が伸びているのか?縮んでいるのか? 温かいのか?冷たいと感じているのか?
    ・・・などの五感を感じる

  • 今、自分はどう感じているのか?
    リラックスしているのか?落ち着いていないのか?不安でザワザワしてるのか?
    ・・・などの感覚をまず自分自身で自覚する。

3.ヨガによる効果の可能性

身体

  • 自分自身の身体の使い方を掴めるようになる
  • 五感の感覚の向上
  • バランス感覚の向上(それによる怪我の回避等)
  • 筋力の向上
  • 空間認識の向上

  • 自分自身の感情コントロールの向上
  • 自分の表現力(アウトプット)の向上
  • 自分自身に対する肯定感の向上
  • 他者とのコミュニケーションの向上 ※環境等による

4.ヨガのクラス内容構成

時間は大凡30~45分

放課後等デイサービス

  • リラックスした状態からスタート
  • できるだけ呼吸に合わせてポーズをしていく(呼吸を取り入れる事で身体の力の入れ方、抜き方のコントロールを身に付けていく)
  • 飽きのないようポーズは基本、短くする
  • 筋力にアプローチできるポーズも取り入れていく
  • 慣れてきたら「安らぎのポーズ」もしくは瞑想の時間を設けて、自身をじっくり感じる「内観」の時間を作る

児童発達支援

  • とにかく「遊ぶ感覚」で楽しめるポーズにする
  • 動物のモノマネなど、できるだけ分かりやすいポーズにする
  • 身体全体を使ったポーズを取り入れる
  • 飽きのないようさまざまなポーズを短い時間で取り入れていく
  • 場合によっては楽しい音楽を取り入れていく

5.ヨガのポーズ例

放課後等デイサービス

  • 寝転んでお腹に手を当てて腹式呼吸 ※児童発達支援も対象可
    ※副交感神経を活性化させ、呼吸をコントロールする事で今の自分を感じ、心のコントロールを身に付けていく
  • 門のポーズ
    膝立ちになり、片足を真横に伸ばしてその方向に上体をを預けていく
    ※体側に伸縮運動。バランス、体幹へのアプローチ
  • ネコのバランスのポーズ(トラのポーズ)
    四つん這いになり、片足を後ろに上げてキープ(更にチャレンジできたら反対の手を前に伸ばしてみる)
    ※バランス、体幹、そして集中力へのアプローチ
  • 舟のポーズ
    体育座りになり、両足を上げてVの字になってキープ(更にチャレンジできたら両手も前に伸ばしてみる)
    ※バランス、体幹、そして集中力へのアプローチ
  • バッタのポーズ
    うつ伏せの状態から両足を上げていき、両手を前か後ろに伸ばしてキープ
    ※背筋と腹筋の強化。バランス、体幹、そして集中力へのアプローチ

児童発達支援

  • 足指じゃんけん
    足指をグーチョキパーで動かす
    ※自身を身体の感覚を研ぎ澄ませる
  • 飛行機のポーズ
    立った状態から上体を倒すと共に片足を後ろへ上げていき、キープ
    ※バランス感覚運動
  • ネコちゃんとウシさんのポーズ
    四つん這いになって背中を反らしたり丸めたりして背骨の運動(呼吸に合わせて)
    ※身体の伸縮の感覚を味わう
  • ダルマさんのポーズ
    体操座りから前後にコロコロと身体を起こしたり寝転がったりする(呼吸に合わせて)
    ※バランス感覚
  • お月さんのポーズ
    立った状態で両手を頭上に伸ばして合唱し、身体を三日月のように左右に反らせる(呼吸に合わせて)
    ※体側の伸縮運動

6.ヨガで子どもたちに伝えたいこと

  • 「今の自分」を感じる感覚を自分自身でまず研ぎ澄ませてみてあげること
  • 自分自身の心と身体が発しているその声に、ちゃんと耳を傾けてあげること
  • その声を無視せず、否定せず、まず自分自身で受け入れてあげること
    ⇒※つまり、自分自身を否定せず肯定的になってあげること
  • 「出来ない」という事実よりも、「出来ない感覚」を自分自身でまず感じとってあげること
  • 楽しくない、どうしてもやりたくない、と思ったら無理にやろうとしないこと